20代でもインプラントはできる?メリットデメリット含め徹底解説

この記事の監修者
德田 信吾
とくだ歯科クリニック
2024/7/29
2025/9/12
#インプラント

20代で歯を失い「インプラント治療は受けられるのか?」と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
20代で歯を失った経験がある人は少なく、まわりにも相談しにくいですよね。
この記事では以下のトピックについてご紹介します。
・20代でもインプラント治療はできる?
・20代のうちに歯を失う原因
・20代でインプラント治療をおこなう条件
・20代でインプラント治療を受けるメリット
・20代でインプラント治療を受けるデメリット
・インプラント治療後もメンテナンスは必要
・20代でインプラント治療をおこなう歯科医院の選び方
20代でインプラント治療を検討されているなら、気になる見出しだけでもぜひ読んでみてください。
- 2.1虫歯の重症化
- 2.2歯周病の重症化
- 2.3歯ぎしり
- 2.4事故やスポーツによる怪我
- 3.2喫煙者でないこと
- 4.2見た目が自然な口元になる
- 4.3傷の治りが早い
- 5.2治療期間が長い
- 8まとめ
20代でもインプラント治療はできる?

結論、20代でもインプラント治療は可能です。
顎の状態や治療後の回復スピードなどを考えると、インプラント治療は高齢者の方より、むしろ20代に向いているといえるでしょう。
インプラント治療は何歳からできる?
前提として、インプラント治療において「〇〇歳からできる」という年齢に関する明確な決まりはありません。
一般的に20歳前後から受けられることが多いです。
ただ、治療を受ける人の顎や全身の状態によっては、20歳でもインプラント治療を受けられない場合もあるでしょう。
【年齢別】インプラント装着者の割合
厚生労働省の「令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要」によると、インプラント装着者の割合は下記のようになっています。
10代 :データなし
20代 :2.6%
30代 :1.3%
40代 :0.7%
50代 :6.1%
60代 :8.1%
70代 :9.8%
80代 :7.8%
出典:厚生労働省|令和4年歯科疾患実態調査結果の概要
上記の結果より、50代からインプラント装着者の割合が多くなっており、70代で一番割合が高くなっています。
また、30代や40代よりも、20代のほうがインプラントを装着している人の割合は多いです。
20代のほうが、インプラント治療のメリットを強く受けとめているのかもしれません。
20代のうちに歯を失う原因

20代でインプラント治療を考えるということは、何かしらの理由で歯を失っている、もしくは抜歯する予定がある状況だと思います。
以下、20代で歯を失う原因の具体例です。
20代のうちに歯を失う原因
- 虫歯の重症化
- 歯周病の重症化
- 歯ぎしり
- 事故やスポーツによる怪我
それぞれ詳しく解説します。
虫歯の重症化
虫歯を放置して重症化すると、歯根の先に膿が溜まるようになります。
このような状態になった場合、歯の奥にまで侵入した細菌を取り除くための根管治療が必要です。
ただ、あまりにも重症化していると、根管治療すら不可能なこともあり、抜歯が必要になるでしょう。
また、虫歯によって歯が溶けてしまい、ほとんど歯が残っていないような場合も、抜歯するケースが多いです。
歯周病の重症化
歯周病は歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしていきます。
歯周病が重症化すると、次第に歯がグラグラしてきます。
歯のぐらつきが大きい場合は、歯周病がかなり進行している状態であり、他の歯槽骨にまで被害が広がることもあるため、抜歯が必要となるでしょう。
歯ぎしり
夜に歯ぎしりをする癖がある人もいらっしゃるでしょう。
歯ぎしりの癖があると、歯根が折れてしまうリスクが高まります。
「歯根が真っ二つに折れた」「歯根が折れて他の歯に悪影響を及ぼす恐れがある」などのケースでは、抜歯する可能性があります。
事故やスポーツによる怪我
交通事故やスポーツなどで強い衝撃を受けたとき、歯が折れたり割れたりすることがあるでしょう。
その際、歯根まで破損してしまっている場合、歯を残すことが難しいことから、抜歯の可能性が高いです。
20代でインプラント治療をおこなう条件

虫歯や歯周病の重症化、交通事故やスポーツなどの強い衝撃などが原因で歯を失い、インプラント治療を検討する際、いくつかの条件を満たしている必要があります。
顎骨の量が足りていなかったり、高血圧や糖尿病などの全身疾患があったりすると、インプラント治療を受けるのは難しいでしょう。
また、20代の方は特に下記2つの条件を満たせるか確認してみてください。
20代でインプラント治療をおこなう条件
- 顎骨の成長が止まっていること
- 喫煙者でないこと
それぞれ詳しく解説します。
顎骨の成長が止まっていること
インプラント治療では、人工歯根を顎の骨に埋め込む必要があります。
顎骨の成長が終わっていないにも関わらず人工歯根を埋め込むと、成長によって変化する口内環境にインプラントが調和できず、口腔内が左右非対称と見た目が悪くなったり、噛み合わせに変化が生じたりする可能性が高まります。
場合によっては治療がやり直しになる恐れもあるでしょう。
顎骨の成長は20歳頃までには完了していることが多いですが、顎骨の成長には個人差があり、20歳でもまだ顎骨が成長を続けている可能性もあるため注意が必要です。
顎の成長を考慮したうえで適切な位置にインプラントを埋入してもらえるよう、インプラント治療において豊富な治療実績を持つドクターに相談することをおすすめします。
喫煙者でないこと
20代からタバコを吸える年齢となります。
喫煙はインプラント治療にさまざまな悪影響を与えるため、治療を受けるにあたって歯科医師から禁煙を指示されることがほとんどです。
具体的な悪影響については「インプラント手術が失敗するリスクが高まる」「手術後にインプラント周囲の組織が歯周病(インプラント周囲炎)になりやすくなる」などが挙げられます。
こういった悪影響があるため、少なくともインプラント治療前後の数ヶ月間は禁煙することが求められます。
20代でインプラント治療を受けるメリット

問題なくインプラント治療を受けられる場合、下記のようなメリットが得られます。
20代でインプラント治療を受けるメリット
- 残っている歯への影響が少ない
- 見た目が自然な口元になる
- 傷の治りが早い
それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
残っている歯への影響が少ない
ブリッジや部分入れ歯だと、一部の歯を削らなければならないため、残っている健康な歯に負担がかかってしまいます。
20代の方は高齢者の方と比べて健康な歯が多く残っていることから、周囲の歯に影響がでることは避けたいでしょう。
インプラント治療であれば、周囲の歯を削る必要がないため、残っている歯への影響が少なく済みます。
見た目が自然な口元になる
失った歯をインプラントで補えば、天然の歯に近い白さを手に入れられます。
特に見た目を気にする傾向がある若年層にとって、見た目が自然な口元になる点は大きなメリットといえるでしょう。
実際に、公益社団法人日本歯科医師会がおこなった調査でも、歯や口の中に関する悩みについて、20代で一番多かった回答は「歯の色」に関してでした。
補う歯が前歯であれば、得られるメリットはより大きいでしょう。
参考:公益社団法人日本歯科医師会|歯科医療に関する一般生活者意識調査
傷の治りが早い
20代は体力や免疫力があることから傷の治りが早く、顎骨と人工歯根の結合も短い期間で済むでしょう。
顎骨と人工歯根の結合が早く終われば、その分治療期間も短く済みます。
なぜなら、インプラントの治療期間が長い主な理由は、顎骨と人工歯根の結合に時間がかかるからです。
また、細菌に感染したとしても重症化しにくいというメリットもあります。
20代でインプラント治療を受けるデメリット

20代でのインプラント治療にはメリットだけでなく、下記のようなデメリットもあります。
20代でインプラント治療を受けるデメリット
- 保険適用外で治療費が高額になる
- 治療期間が長い
保険適用外で治療費が高額になる
基本的にインプラントは保険が適用されないため、治療にかかる費用は全額自己負担です(一部例外はあります)。
具体的な費用に関しては、治療を依頼する歯科医院や治療内容などによって異なります。
ただ、インプラント治療の費用相場は1本あたり25万円〜60万円であり、20代でそれだけの費用をかけることに抵抗を感じる方も多いでしょう。
また、そもそもそれだけの費用を用意するのが難しいことも考えられます。
治療期間が長い
インプラント治療においては手術をともないます。
手術は数時間で終わり、基本的に入院する必要もありません。
ただ、顎骨と埋め込んだ人工歯根が結合するのに2,3ヶ月はかかります。
具体的な期間には個人差があり、ケースによっては半年以上かかることもあるでしょう。
定期的に歯科医院へ行く必要もあり、忙しい20代の時期に長期間の治療を受けることは、デメリットになるかもしれません。
インプラント治療後もメンテナンスは必要

治療して終わりではなく、その後もメンテナンスが必要な点はインプラント治療における注意点です。
「2,3ヶ月に1回」「半年に1回」など、メンテナンスに通う頻度は状況によって異なります。
メンテナンスを怠り不衛生な口内状態が続くと、インプラント周囲炎になったり、機器トラブルによる口臭が発生したりと、口内トラブルにつながりやすくなります。
口内トラブルを防ぐためにも、歯科医師の指示に従ってしっかりと通院することが大切です。
また、20代の方は結婚や転勤などをきっかけに引越す可能性もあることから、治療後も同じ歯科医院に通い、メンテナンスを継続できるかどうかも重要となるでしょう。
場合によっては新たに歯科医院を探す必要がでてくるかもしれません。
20代でインプラント治療をおこなう歯科医院の選び方

20代でインプラント治療をおこなうとなれば、不安も多いでしょう。
信頼できる歯科医院を見つけ出し、トラブルのない治療を受けるためにも、下記のようなポイントを押さえることが大切です。
20代でインプラント治療をおこなう歯科医院の選び方
- 信頼できるメーカーを使用している
- 丁寧なカウンセリングをしてくれる
- インプラント治療の豊富な実績がある
- 検査設備が整っている
- 費用の説明がわかりやすい
具体的な内容については「インプラントとは?治療にかかる費用や他の治療法との違いも解説」の記事で詳しく紹介しておりますので参考にしてみてください。
まとめ
20代でもインプラント治療を受けることはできます。
一定の条件を満たしている必要はあるものの、高齢者の方よりむしろ20代のほうが治療は受けやすいでしょう。
また、20代に多い口元の見た目問題も解決できる可能性が高いです。
ただ、保険が適用されないため、費用が高額になる点はデメリットになるでしょう。
治療後も定期的にメンテナンスを受ける必要があることも注意すべき点です。
メリット・デメリット・注意点などを把握したうえで、インプラント治療を受けると決めた場合は、いくつかの歯科医院を比較検討して、信頼できる歯科医院で治療を受けましょう。
当サイトではインプラントに対応している歯科医院を紹介しています。インプラントによる治療を検討しているという方は、ぜひご覧になってみてください。
この記事の監修者

德田 信吾
経歴
九州歯科大学歯学部 卒業 大阪大学歯学部附属病院 研修医 平成25年 とくだ歯科クリニック 開院
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