インプラントを奥歯に2本入れる際の費用はいくら?費目ごとの金額も紹介
2024/2/27
2024/7/18
#インプラント
奥歯は食生活において非常に重要な役割があります。
重要な役割のある奥歯を失った際、しっかりとした噛み心地を得られるインプラントでの治療を検討される方もいらっしゃるでしょう。
その際、気になるのが費用ですよね。
奥歯2本をインプラントで治療するとなれば、費用は高額になるため、費用がどの程度になるのかより気になるでしょう。
この記事では、インプラントを奥歯に2本入れる際の費用に加えて、奥歯を2本失った際の治療法として、インプラントと比較されることの多い部分入れ歯の費用についてもご紹介します。
また、奥歯を入れ歯ではなくインプラントで治療するメリットについても解説します。
最後にインプラントでの治療を前向きに検討している方に向けて、費用を抑えるためにできることや、奥歯をインプラントで治療するには歯科医院選びが重要なことに関して解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 3.43-4.思い切り笑える
- 6まとめ
1.インプラントを奥歯に2本入れる際の費用
インプラントを奥歯に2本入れる際の費用は80万〜100万円程度です。
仮にインプラント1本あたりの費用が40万円程度とした場合、内訳は下記のような金額になるでしょう。
検査や診断料:2万円程度
インプラント手術費:25万円程度
被せ物:15万円程度
※あくまでも目安です。
この合計金額を単純に2本分と考えると、80万円程度かかることが想定されます。
抜歯や骨造成といった追加治療が必要になる場合は、さらに追加で費用が必要になります。
そうなれば、インプラントを奥歯に2本入れる際の費用が合計で100万円を超えることもあるでしょう。
ただ、実際の金額に関しては治療を任せる歯科医院や治療を受ける患者さんの状態、治療内容などによって異なります。
より具体的な費用について知りたい場合は、実際に歯科医師に相談してみると良いでしょう。
また、インプラント1本あたりの費用相場について知りたい場合は、「インプラント治療の費用相場は?内訳や費用を左右する項目も解説」の記事で詳しく解説しておりますので参考にしてみてください。
2.部分入れ歯の費用
奥歯を2本失うと、基本的にインプラントか部分入れ歯を検討することになるでしょう。
インプラントと部分入れ歯でどの程度費用に違いがあるのか気になる方も多いと思います。
そこで部分入れ歯の費用について、保険適用と保険適用外の2つに分けてご紹介します。
2-1.奥歯を保険適用の部分入れ歯で治療する際の費用
保険が適用される場合の費用は下記のとおりです。
1割負担:1,200~2,500円程度
3割負担:5,000~15,000円程度
保険診療は治療内容ごとに費用が一律に定められているため、患者さんは全国どこの歯科医院で治療を受けても基本的に費用は同じ金額です。
2-2.奥歯を保険適用外の部分入れ歯で治療する際の費用
保険適用外の部分入れ歯は種類によって費用が異なります。
・シリコン義歯(義歯床の一部がシリコンでできている入れ歯)
費用:10万~50万円程度
・ノンクラスプデンチャー(金具のない入れ歯)
費用:10万~30万円程度
・金属床(主要部分を金属で作った入れ歯)
費用:30万~60万円程度
・コーヌス義歯(残っている歯に金属冠を被せ、その上から入れ歯を装着する入れ歯)
費用:50万~80万円程度
上記の費用はあくまでも目安であり、治療内容によっては100万円以上かかることもあるでしょう。
3.奥歯を入れ歯ではなくインプラントで治療することのメリット
インプラントと部分入れ歯の費用を比較した際、保険適用外の部分入れ歯だと、インプラントと同程度の費用になることもあります。
そのため「結局インプラントと部分入れ歯のどちらが良いの?」と疑問に思われる方は少なくないでしょう。
そこで、奥歯を入れ歯ではなくインプラントで治療することのメリットに関して、下記の4つを取り上げてご紹介します。
奥歯を入れ歯ではなくインプラントで治療することのメリット
- 噛み合わせのバランスを維持しやすい
- 発音がしやすくなる
- これまでどおり食事を楽しめる
- 思い切り笑える
3-1.噛み合わせのバランスを維持しやすい
入れ歯はいくら固定されているとは言え、食事の際にぐらつきを感じることもあるでしょう。
また、入れ歯の高さを自由に調整することも難しいため、噛み合わせに違和感がある状態のまま、入れ歯を使っている人も少なくないと思います。
インプラントの場合、治療時にしっかりと噛み合わせを調整できます。
定期的にメンテナンスを受ければ、噛み合わせのバランスも維持できるでしょう。
3-2.発音がしやすくなる
入れ歯は会話中にズレたり、入れ歯と歯茎の間に隙間ができたりすることがあります。
このことが原因で、発音がスムーズにできなくなることがあり、会話にストレスを感じることがあります。
奥歯がない状態は「き」「し」「ち」などの発音がしにくくなると言われていることから、これらの発音に影響が出るかもしれません。
インプラントであれば、顎の骨に埋め込まれしっかりと固定されるため、入れ歯より発音がしやすく、会話も楽しめるでしょう。
3-3.これまでどおり食事を楽しめる
奥歯は前歯と比べて噛む力が強いです。
奥歯を入れ歯で補う場合、インプラントと比べて安定性に劣ることから、食事で強い力が加わった際に入れ歯がズレたり外れたりする恐れがあります。
入れ歯がズレたり外れたりする際に痛みをともなうこともあるでしょう。
食事の際に入れ歯がズレたり外れたりするのを防ぐため、硬いものは避けるといった食事制限をしている人も少なくありません。
インプラントであればしっかりと固定されており安定性が高いため、痛みもなくこれまでどおり食事を楽しめます。
3-4.思い切り笑える
奥歯は外部から見えにくく、前歯ほど口元の見た目に影響を与えるものではありません。
ただ、口を大きく開けて笑った際は外部から奥歯が見えることもあります。
部分入れ歯で奥歯を補っている場合、入れ歯の種類によっては金具が目立って、堂々と笑えないこともあるでしょう。
インプラントは審美性に優れており、天然の歯に近い見た目をしているため、思い切り笑えます。
4.奥歯2本のインプラント治療費用を抑えるためにできること
インプラント治療は基本的に保険が適用されず、治療費用を全額ご自身で負担しなければならないことから、費用面が気になって治療の選択を悩まれる方も多いでしょう。
下記、費用を抑えるためにできることの具体例です。
奥歯2本のインプラント治療費用を抑えるためにできること
- インプラントとブリッジを併用する
- 医療費控除を利用する
- デンタルローンを利用する
それぞれ詳しく解説します。
4-1.インプラントとブリッジを併用する
奥歯を含めて連続で3本以上の歯を治療する場合、インプラントとブリッジを併用することで費用を抑えられるでしょう。
インプラントとブリッジを併用するというのは、インプラント2本を支えとして被せ物をするということです。
インプラントとブリッジを併用する治療であれば、インプラントの本数は2本で済みます。
失った歯3本をインプラントで治療するより費用は抑えられるでしょう。
4-2.医療費控除を利用する
医療費控除とは、1月1日〜12月31日の間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得控除を受けられる制度のことです。
医療費控除を受けるには、1月1日〜12月31日の間に支払った医療費の合計が10万円を超えていること(所得が200万円未満の場合は年間所得の5%を超えていること)が条件です。
インプラント治療は医療費控除の対象となるため、医療費控除を利用できれば結果的に費用を抑えられるでしょう。
具体例をまじえて、どの程度の控除を受けられるか解説します。
まず控除額を求める計算式は下記のとおりです。
「控除額=医療費控除額×所得税率」
医療費控除額は「支払った医療費の総額-保険金といった補填金-10万円」の計算式で求められ、所得税率は年間の総所得によって変動します。
例えば医療費の総額が80万円で、保険金といった補填金がない場合、医療費控除額は「80万円 - 10万円=70万円」です。
年間総所得が500万だった場合、所得税率は20%のため控除額は「70万×20%=14万円」となります。
このようなケースでは、実質的に治療費を14万円軽減できるわけです。
つまり、医療費控除を利用できれば、インプラント治療の費用を抑えることにつながるのです。
4-3.デンタルローンを利用する
デンタルローンとは、歯科治療限定で利用できるローン制度のことを指します。
インプラント治療にかかる費用を抑えられるわけではないものの、治療費を分割払いできるため、一括での支払いを回避できます。
クレジットカードでの分割払いと大きく異なる点は金利です。
クレジットカードでの分割払いだと、金利は12%〜15%程度でしょう(実際の金利は提供会社や借り入れ額などによって異なります)。
これに対してデンタルローンであれば金利は5%前後です。
クレジットカードより少ない負担で済む可能性が高いため、デンタルローンを利用したほうが結果的に費用を抑えやすいわけです。
5.奥歯をインプラントで治療するには歯科医院選びが重要
奥歯のインプラントは、下記のようなさまざまな理由から難しいとされています。
奥歯をインプラントで治療するのが難しい理由
- 噛む力の強い奥歯の噛み合わせ調整はシビア
- 開口量が小さく手術をするためのスペースを確保しにくい
- 歯肉が薄く治療後にインプラント周囲炎になるリスクが高い
- 上顎はインプラントを埋め込むのに必要な骨の厚さを確保しにくい
また、歯学部付属大学病院でインプラントの治療を受けた98名を対象に研究をした論文によれば、インプラントと骨が結合する確率は下記のような結果となっています。
※下記の結果は、4種類のインプラントメーカーにおけるインプラントを使用した際の結果であり、歯科医院のインプラント治療すべてに該当するわけではありません。
インプラントと骨が結合する確率
- 上顎前歯は84.1%
- 上顎奥歯は78.9%
- 下顎前歯は96.9%
- 下顎奥歯は95.9%
上顎も下顎も奥歯を治療するケースのほうが、結合率は低い傾向にあります。特に上顎の奥歯は結合率が唯一80%を下回っています。
治療の難しさや結合率が前歯と比べて低いなどの理由から、奥歯をインプラントで治療する際は歯科医院選びが重要です。
費用を抑えようと金額だけ見て歯科医院を選ぶことはおすすめしません。
歯科医院を選ぶ際のポイントに関しては「インプラントとは?治療にかかる費用や他の治療法との違いも解説」の記事で詳しく解説しておりますので参考にしてみてください。
参考:日本口腔インプラント学会誌掲載論文 第15巻 第1号 口腔インプラントの生存に関する疫学調査:オッセオインテグレーションの獲得と意地から見た評価
まとめ
インプラントを奥歯に2本入れる際の費用は、80万〜100万円程度の費用がかかります。
保険適用外の部分入れ歯とインプラントの場合、費用がそこまで変わらないこともあります。
ただ、インプラントで治療すれば「噛み合わせのバランスを維持できる」「これまでどおり食事を楽しめる」など、部分入れ歯では得にくいメリットがさまざまです。
インプラント治療を検討する際は歯科医院選びが重要なため、複数の歯科医院を比較検討しましょう。
当サイトではインプラントによる治療が受けられるおすすめの歯科医院を紹介しています。インプラントによる治療を検討しているという方は、ぜひご覧になってみてください。
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