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インプラント治療を受けているとMRIは受けられない?安全性や注意点について解説!

作成日のアイコン

2024/11/26

最終更新日のアイコン

2024/11/28

#インプラント

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インプラント治療を受けている方は、MRI検査を受けられないという話をどこかで聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

金属を体内に埋め込みながらMRI検査をすると、やけどといった大きな事故を想像して、MRI検査を受けられるか不安に感じられる方がいらっしゃるようです。

そこで今回は、インプラント治療を受けていてもMRI検査を受けられるのか、

安全性やその他の注意点にも触れながら、解説していきます。

この記事を読むことで、安心してMRI検査に臨むことができますので、ぜひ最後までお読みください。

インプラント治療を受けているとMRIは受けられない?

MRI検査を受ける女性と男性医師

インプラント治療を受けている場合、MRI検査を受けられるのかどうか、詳しく解説していきます。

MRI検査とは?

国立がん研究センターが運営するがん情報サービスによると、MRIは下記のように定義されています。

MRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像法)検査は、治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べる、治療の効果を判定する、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査です。

引用:MRI検査とは:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

加えてMRIの特徴として、下記の記載もされています。

MRI検査は、がんなどの病気の部分と正常な組織の違い(コントラスト)を画像上で区別しやすい検査です。また、縦、横、ななめなど、さまざまな方向の断面を画像にすることができます。X線を使わないので、被ばくの心配もありません。

その一方で、MRI検査で用いる磁石や電波は金属などの影響を受けるため、体の内外に金属類がないかなど事前の丁寧な確認が必要で、場合によっては検査ができないこともあります。

引用:MRI検査とは:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

この記載から、金属の一種であるチタンを用いたインプラント治療をおこなっていると、MRI検査が受けられないという認識が広まったと考えられます。

MRIは受けられない?

結論からお伝えすると、インプラント治療をおこなっていてもほとんどの場合、MRI検査は受けることができます。

理由として、現在インプラント治療で使用される金属はほとんどがチタンという非磁性の金属だからです。

非磁性の金属の場合、磁石に反応を示さないためMRIをおこなってもトラブルを発生させません。

また、インプラントのチタン以外の他の素材は、セラミックという非金属であるため、この素材も磁石に反応することはなく、トラブル発生の原因にならないのです。

ただ、チタンを用いていないインプラントの場合は、MRIを受けられない可能性もあるため注意する必要があります。

余談ですが、金属は大きく下記の3つに分類することができます。

・強磁性:磁石に対して強い反応を示す金属
・常磁性:磁石に対して弱い反応を示す金属
・非磁性:磁石に対して反応を示さない金属

非磁性の金属は磁石に引き寄せられず、磁場を発生させないので、MRI検査による危険はほとんどありません。

ただしMRI検査において、インプラントの周囲に画像の乱れが生じる可能性があることに留意しましょう。

チタンは強度が非常に高く、かつ軽量で対腐食性に優れた特性を持っています。

加えて、チタンは顎の骨と強固に結合する性質(オッセオインテグレーション)を持っていたり、金属アレルギーのリスクが低かったりと、体内に入れる金属として、非常に優秀なのです。

また最近では、インプラント体(人工歯根や、フィクスチャーとも呼ばれる)がセラミックでできているものもあり、完全にメタルフリーのインプラントも徐々にシェアを広げています。

もちろん完全メタルフリーのインプラントでは、MRI検査を安全に受けることが可能です。

CT検査は受けられる?

CT室

チタン製インプラントの場合、MRI検査と同様にCT検査を受けることができます。

CT検査は、X線を使って行います。

いろいろな方向から体にX線をあてて、水分、骨、脂肪、空気など体の中にある成分によるX線の吸収率の違いをコンピューターで処理し、体の断面を画像にします。

引用:CT検査とは:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

上記のようにCT検査は磁気を用いる検査ではないため、金属が体内に埋め込まれているインプラント治療でも、危険性はなくCT検査を受けることができます。

銀歯やセラミックなどの詰め物は?

銀歯

インプラント治療以外の口内に器具を入れ込む銀歯やセラミックの場合でも、基本的にMRI検査は受けられます。

現代だと銀歯は金銀パラジウム合金が主に使用されており、金銀パラジウム合金も非磁性の金属でありMRIに悪影響はありません。

また、セラミックは非金属のため、他の素材と同様に影響がないと考えていいでしょう。

インプラントでMRIを受けられないケース

手でバツポーズをする女性

ここまで説明したとおり、インプラント治療を受けていてもほとんどの場合、MRI検査を受けることができます。

しかしながら下記3つに当てはまっている場合、MRI検査を受けることはできません。

インプラントでMRIを受けられないケース

  • オーバーデンチャーを使用している場合
  • チタン以外の材質を使用している場合
  • 医療用インプラントをおこなっている場合

それぞれ解説していきます。

オーバーデンチャーを使用している場合

MRI検査を受けられないケースの1つ目はオーバーデンチャーを使用している場合です。

オーバーデンチャーとはインプラントと入れ歯を組み合わせた治療方法になります。

顎の骨に2〜4本のインプラントを埋入し、その上に入れ歯を被せて使用します。

下記記事でもインプラントオーバーデンチャーについて、解説しているので

気になる方はぜひご覧ください。

https://www.medee.jp/column/implant/all-implant-demerit/#h1f03bf4926

オーバーデンチャーにもいくつか種類がありますが、そのなかでもインプラントと入れ歯を磁力によって密着させるタイプはMRI検査を受けることができません。

チタン以外の材質を使用している場合

現在、インプラントで使用されている素材は多くがチタンですが、チタン以外の素材が使用されている場合もあるため、その際は注意する必要があります。

特に下記の材質は比較的使用されていることもあるため、MRIに影響を与える可能性があるか、医師にしっかりと確認しましょう。

・ステンレススチール
・コバルトクロム合金

医療用インプラントをおこなっている場合

インプラントというと歯科治療のインプラントをイメージされる方が多いですが、本来の意味は若干異なります。

インプラントとは体内に人工物を入れて、おこなう治療の総称です。

現在、一般的にイメージされる歯科のインプラント治療以外にも、下記のような医療用器具もインプラントに分類され、MRI検査を受けることができない場合が多いです。

以下のような装置をつけている場合は、検査前に必ず医師に相談するようにしましょう。

・ペースメーカー
・人工内耳
・人工関節
・神経刺激装置

インプラントで起こるMRIによる不具合

スマートフォンを見て驚く女性

インプラントを受けていてMRI検査に悪影響を及ぼす例として下記が挙げられます。

インプラントで起こるMRIによる不具合

  • 発熱の可能性がある
  • MRI画像にノイズが生じることがある

発熱の可能性がある

磁力を持った金属の場合、MRI検査の影響で発熱するため火傷の危険があります。

現在はチタン製のインプラントが一般的ですが、古いインプラントの場合、上記で挙げた素材でインプラントが作られている場合もあるため、十分に気をつける必要があります。

加えて、歯科インプラントではなく医療用インプラントの場合、命に関わる可能性があるため、必ず医師に報告、相談をおこないましょう。

MRI画像にノイズが生じることがある

インプラント治療を受けた人がMRI検査を受けると、検査画像にノイズが生じることがあります。

特にチタン製以外の材質を使用している場合には、検査自体に問題はなくても検査結果の画像に影響を与えることがあります。

検査結果の画像に乱れが生じていると、正しい診断結果を得られなくなる可能性があるため注意が必要です。

インプラントが原因でMRI検査を断られた場合の対処法

女性と男性の医療従事者

インプラントが原因で不具合が生じる可能性がある場合、MRI検査を断られることも考えられます。

その場合、以下の3点を確認し、MRI検査を受けられるか対処してみましょう。

インプラントが原因でMRI検査を断られた場合の対処法

  • 上部構造のみ外す
  • インプラント治療を受けた歯科医院に相談する
  • チタン製であることを伝える

上部構造のみ外す

歯科用インプラントは上部構造部分の人工歯、顎の骨に埋め込む部分のインプラント本体、その2つをつなぐアバットメントの3つの構造からできています。

インプラント本体が金属体でない場合には、上部の人工歯部分を取り外せば、MRI検査を受けられる可能性があります。

インプラント治療を受けた歯科医院に相談する

自身が受けたインプラントがどのようなものだったかを忘れてしまった場合は、治療を受けた歯科医院に相談するのが一番早く、安全性も確実です。

当たり前ですが、患者さんのインプラント状況について最も把握しているのはインプラント治療をおこなった歯科医院です。

危険性がないことがわかれば、安全性をMRI担当の先生に説明してくれます。

自分の身を守るためにも、わからないことは自身では判断せず、把握している人にしっかりと相談しましょう。

チタン製であることを伝える

歯科医院で自身のインプラントがチタン製であることを確認しているのであれば、MRI担当の医師にその旨をしっかりと伝えましょう。

画像検査を専門にしている医院スタッフさんであれば、チタン製インプラントがMRI検査での危険性がないことを知っているため、対応いただけると思います。

まとめ

インプラント治療を受けていても、ほとんどの場合MRI検査を受けることができます。

ただ、インプラントオーバーデンチャーをおこなっている場合や、チタン製以外のインプラントを使用している場合にはMRI検査を受けられないことがあります。

大事なのは自身ですべてを判断するのではなく、インプラントを受けた歯科医院、MRI検査担当の医師たち、専門家にしっかりと相談することです。

当サイトではインプラント治療を検討する際に、基準にするべき項目を紹介したり、インプラントに力を入れている歯科医院を紹介したり、インプラントに関する情報を発信しています。

お一人お一人にあった歯科医院を選ぶためにも、ぜひご覧になってみてください。

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