インプラント治療で歯がない期間は?対処法やよくある質問への回答も紹介
2025/1/31
2025/1/31
#インプラント

インプラント治療では一時的に「歯がない期間」が訪れます。
治療を受ける側としては、どれくらいの期間歯のない状態が続くのか気になりますよね。
また、できるだけ歯がない期間を過ごしたくないと思われる方がほとんどでしょう。
この記事では、インプラント治療にともなう「歯がない期間」はどれくらいなのか、歯がない期間はどのように対処するのかなどについて詳しく解説します。
歯がない期間に関するよくある質問にもお答えしておりますので、インプラントを検討しており、歯のない期間が訪れることに不安を抱かれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
インプラント治療で歯がない期間はどれくらい?

インプラント治療時は「2ヵ月〜6ヵ月程度」歯がない期間があります。
2ヵ月〜6ヵ月程度と幅が広い理由は、顎骨の状態が治療を受ける人それぞれで異なるためです。
顎骨が上部で十分な厚みがある方は歯のない期間が短い傾向にあり、逆に顎骨が薄い方は骨造成といった追加手術が必要となる可能性があるため、歯のない期間が長くなる傾向にあります。
2ヵ月〜6ヵ月程度という期間はあくまでも目安であり、ケースによっては歯のない期間が6ヵ月以上になることもあるでしょう。
いつからいつまで歯がない?
具体的にいつからいつまで歯がないのか気になる方も多いと思いますので、インプラント治療の流れとあわせて解説します。
1.術前カウンセリング | 患者と医師でコミュニケーションをとり、具体的な治療方針を決めていきます。 この際治療のメリットやデメリット、リスクや副作用などの説明も受けます。 |
---|---|
2.検査と治療計画の考案 | 安全にインプラント治療がおこなえるよう
|
3.一次手術 | 治療内容や費用に納得したら、手術日を決めてインプラントの埋入手術をおこないます。 ※骨造成が必要な場合は一次手術と同時、もしくは一次手術前におこないます。 |
4.待機期間 | インプラントを埋入したら、人工歯根と顎骨が結合するのを待ちます。 |
5.二次手術 | 人工歯根と顎骨の結合が確認できたら、 |
6.型取り | 最終的に装着する上部構造を作製するため型取りをおこないます。 |
7.上部構造を装着 | 上部構造が出来上がったら装着して完了です。 |
※上部構造を装着した後は定期的にメンテナンスを受ける必要があります。
歯がない期間の対処法

インプラント治療において「2ヵ月〜6ヵ月も歯がない期間を過ごさなければならないのか」と不安を抱かれる方は多いでしょう。
治療箇所が前歯であれば見た目に大きく影響がでるため、より不安になると思います。
ただ、実際は何ヶ月も歯がない期間を過ごすわけではありません。
以下のような方法で一時的に対処します。
歯がない期間の対処法
- 仮歯をする
- 入れ歯をする
仮歯をする
一つ目の対処法は、仮歯を使って見た目や噛む機能を補う方法です。
仮歯で対処する場合、インプラント体を使って仮歯を取り付ける方法と、隣の歯を使って仮歯を取り付ける方法の2つが挙げられます。
インプラント体を使って仮歯を取り付ける
仮歯での対処は、一次手術で埋入したインプラント体(人工歯根)を使って仮歯を取り付ける方法が一般的です。
インプラント体に負担がかかるため、慎重に管理する必要があります。
通常、インプラントの埋入後、傷口が治癒し抜糸をしてから仮歯を取り付けます。
インプラント埋入後、仮歯を取り付けるまでの期間は1週間〜10日程度です。
即時荷重法に対応している歯科医師であれば、インプラントの埋入と同時に仮歯を取り付けられます。
即時荷重とはインプラントの埋入から24時間以内に上部構造を装着することであり、早期負荷あるいは早期荷重とは、従来のプロトコールに示されている治癒期間を短縮した方法で ある。
引用:倉地洋一”即時荷重インプラント”
隣の歯を使って仮歯を取り付ける
残っている健康な隣の歯を使って、インプラント体に負担をかけず仮歯を取り付ける方法もあります。
接着剤を使って隣の歯に仮歯を取り付けます。
隣の歯を利用するためインプラント体に負担がかかることはありません。
ただ、接着剤で取り付けをおこなうことから、仮歯が取れやすい傾向にあります。
また、隣の歯に負担がかかるという点もデメリットのひとつです。
入れ歯をする
二つ目の対処法は、入れ歯で見た目や噛む機能を補う方法です。
一度に複数の箇所をインプラントで治療する場合、全体的な口腔バランスを保つため、仮歯ではなく入れ歯で対処することが多いです。
通常の入れ歯とは異なることから、見た目が不格好になりやすく、装着した際の違和感も通常の入れ歯より強いでしょう。
仮歯や入れ歯で対処しないケースもある

すべてのケースにおいて仮歯や入れ歯で対処するというわけではありません。
奥歯を治療する場合、仮歯や入れ歯をしないケースもあります。
奥歯は食べ物をすり潰す役割がある歯で、どうしても力が加わってしまう箇所です。
力が加わりフィクスチャーに負担がかかると、顎骨とインプラントの結合が妨げられる恐れがあるため、奥歯の場合は仮歯や入れ歯をしないことがあるのです。
ただ、希望すれば奥歯でも仮歯や入れ歯を取り付けてもらえる可能性があるため、気になる方は歯科医師に相談してみると良いでしょう。
見た目の維持だけじゃない仮歯や入れ歯の役割

仮歯や入れ歯を取り付けるのは、見た目を維持することだけが理由ではありません。
他にも以下のような理由から仮歯や入れ歯を取り付けます。
仮歯や入れ歯の役割
- 患部を保護する
- 歯並びや噛み合わせの変化を防ぐ
- 発音を維持する
- 顎骨や歯茎の状態を安定させる
患部を保護する
手術後の患部はデリケートな状態で外部からの刺激に敏感です。
そのため、食べ物や歯ブラシが当たったとき痛みを感じることがあります。
また、傷口から細菌が入り込み炎症を起こすこともあるでしょう。
仮歯や入れ歯を取り付け患部を保護することで、患部に何かが当たることや細菌が入り込むのを防ぎます。
このように、痛みや炎症が生じたりするのを防ぐ役割があるのです。
歯並びや噛み合わせの変化を防ぐ
歯がない状態が長期間続くと、次第に隣の歯が空いたスペースに傾いてきたり、向かい合う歯が伸びてきたりして、歯並びや噛み合わせに変化が生じてしまいます。
歯並びが変化することで被せ物を入れるスペースが不足し、治療期間が延びてしまう恐れもあります。
こういったことを防ぐためにも、仮歯や入れ歯の取り付けをおこないます。
発音を維持する
仮歯や入れ歯は発音を維持する役割も担っています。
歯がないことによって発音に支障をきたすことがあり、特に前歯がない場合は発音に支障をきたしやすいです。
たとえば、前歯がないと発音する際の舌の動きに影響がでたり、息が漏れたりすることで「さ行」や「た行」の音が発音しにくくなります。
うまく発音できなかったり滑舌が悪くなったりすることで、話すことがストレスになる人もいるでしょう。
仮歯や入れ歯で一時的に歯を補うことで、自然に会話ができるようになります。
顎骨や歯茎の状態を安定させる
仮歯を付けず歯がない状態をそのままにしておくと、隣接する歯が傾いたり対面にある歯が伸びたりするだけでなく、顎骨や歯茎が変形したりする恐れがあります。
顎骨や歯茎の変形を防いで状態を安定させるためにも、インプラント埋入後は仮歯を取り付けることが重要です。
また、より精度の高い最終的な上部構造へと調整するという点も、仮歯における役割のひとつです。
仮歯や入れ歯の期間中に気を付けなければならないこと

仮歯や入れ歯を取り付けている間は、下記5つの点に注意してください。
仮歯や入れ歯の期間中に気を付けなければならないこと
- 仮歯や入れ歯に強い力をかけない
- 仮歯の周囲に汚れを溜めない
- 歯にくっつきやすいものを食べない
- 仮歯や入れ歯のまま治療を終わらせない
それぞれ詳しく解説します。
仮歯や入れ歯に強い力をかけない
可能な限り仮歯や入れ歯に強い力をかけないようにしましょう。
待機期間中に取り付ける仮歯や入れ歯は、あくまでも失った歯を一時的に補うものです。
最終的に取り付ける上部構造のような頑丈さはなく、強い力が加わると欠けたり割れたりする恐れがあります。
また、インプラント体を使って仮歯を取り付けている場合、インプラント体に負担がかかり顎骨とインプラント体が結合するのを妨げることにもつながります。
そのため、仮歯や入れ歯を使用している間は、インプラント体に負担がかからないようできるだけ柔らかく刺激の少ないものを食べるようにしましょう。
仮歯の周囲に汚れを溜めない
仮歯のほとんどは歯科用プラスチックでできているため汚れがつきやすく、仮歯の周囲に汚れが溜まると感染症のリスクが高まります。
インプラント周囲炎といった感染症を引き起こすと、インプラント治療の失敗につながる可能性が高まるため、口腔ケアを徹底することが重要です。
特に歯周病にかかりやすい体質の方は注意しましょう。
“歯周病に対する感受性が高い者(広汎型侵襲性歯周炎患者)では低い者(慢性歯周炎患者や非歯周炎患者)と比べてインプラントの残存率が低く、インプラント治療後のトラブルの発生頻度が高い。”
引用:歯科インプラント治療のためのQ&A|厚生労働省
このように歯周病にかかりやすい体質の方は、治療後トラブルが発生しやすかったり、インプラントの残存率が一般の人と比べて低い傾向にあったりするため、口腔ケアの徹底が求められます、
歯ブラシで仮歯の周りを磨く際は力加減に注意しながら磨き、歯科医師に指示されたとおりの頻度で歯科医院に通い、定期的にメンテナンスを受けましょう。
セルフケアにおいても、歯科医師や歯科衛生士から指導された方法でおこなうことが大切です。
歯にくっつきやすいものを食べない
仮歯は取り外しできるセメントで接着されているため「歯にくっつきやすいもの」は食べないようにしましょう。
ガムやキャラメル、お餅などは特にくっつきやすい食べ物のため、仮歯期間中は控えてください。
これらの食べ物を口にすることで仮歯が外れる恐れがあります。
最終的な上部構造の取り付けが完了してから口にするようにしましょう。
仮歯のまま治療を終わらせない
インプラント治療に力を入れている医院では、セラミッククラウンと同じように仮歯も精巧に作製します。
そのため患者さん側からすると、最終的な上部構造と仮歯の見分けがつかないこともあるでしょう。
患者さんのなかには、仮歯で満足してそれ以降歯科医院に通わなくなる方もいらっしゃいますが、必ず最後まで治療を受けるようにしてください。
仮歯は摩耗しやすい素材で作られており、日々の食生活で摩耗していきます。
徐々に摩耗していくことで噛み合わせが悪くなり、見た目にも影響が出てしまいます。
さらに、摩耗して変形した仮歯を使い続けるとインプラント体に大きな負担がかかり、最悪の場合インプラントが脱落する恐れすらあるのです。
こういった事態を防ぐためにも、仮歯のまま治療を終わらせないようにしましょう。
歯がない期間に関する「よくある3つの質問」

ここでは番外編として、歯がない期間に関する「よくある3つの質問」とその回答をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
仮歯や入れ歯が取れたり壊れたりしたら?
仮歯や入れ歯が取れたり壊れたりしたら、可能な限り早く歯科医院で対処してもらいましょう。
仮歯や入れ歯が取れたり壊れたりした状態をそのままにしておくと、以下のような問題が生じます。
・隣接する歯が傾いてくる
・対面の歯が伸びてくる
・細菌感染のリスクが高まる
・噛み合わせに影響が出る
・破損した仮歯や入れ歯が原因で口内を傷つける
これらの問題を防ぐためにも、仮歯や入れ歯に問題が生じたらすぐに歯科医院へ行きましょう。
仮歯の費用はいくら?
インプラント埋入後に取り付ける仮歯の費用は5,000〜20,000円です。
あくまでもこの金額は目安であり、具体的な費用については各歯科医院にて確認してください。
<関連記事>
インプラント治療の費用相場は?内訳や費用を左右する項目も解説
歯がない期間に痛みはある?
手術後は患部に腫れや痛みなどを感じる可能性がありますが、こういった症状は数日で治ることがほとんどです。
また、仮歯や入れ歯を装着しているだけで痛みが生じることはありません。
ただ、仮歯や入れ歯を装着している部分に強い負荷がかかると、痛みを感じることはあります。
痛みを感じないよう、仮歯や入れ歯の期間は食べ物や食べ方に注意しましょう。
<関連記事>
インプラント治療は痛い?痛みの程度や対処法について解説
まとめ
インプラント治療においては「歯がない期間」が存在し、その期間はインプラント埋入後より2ヵ月〜6ヵ月程度です。
ただ、その期間中ずっと歯がないわけではなく「仮歯」や「入れ歯」をします。
見た目を維持することはもちろん、患部の保護や発音の維持、歯並びの噛み合わせの変化防止など、さまざまな目的で仮歯・入れ歯を取り付けます。
仮歯や入れ歯をしている最中は、トラブルを防ぐため以下のような点に注意しましょう。
・仮歯や入れ歯に強い力をかけない
・仮歯の周囲に汚れを溜めない
・歯にくっつきやすいものを食べない
・仮歯や入れ歯のまま治療を終わらせない
これらの点に注意して、歯科医師の指示のもと食べるものを調整したり、口腔ケアをしたりしましょう。
当サイトではインプラントによる治療が受けられるおすすめの歯科医院を紹介しています。インプラントによる治療を検討しているという方は、ぜひご覧になってみてください。
東京でインプラントに対応している歯科医院の一覧はこちら
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