インビザラインは痛いのか|9パターンの痛みと対処法を解説
2022/1/5
2024/7/18
#インビザライン
「インビザラインを始めたけど、痛くてどう対処したらいいかわからない」
「インビザラインの痛みはいつまで続くのかな」
インビザラインは痛みの少ない歯列矯正方法として近年人気を高めています。
しかし実際にインビザラインを始めて、痛みを感じている方がいるのではないでしょうか。
結論として、インビザラインで痛いと感じることはありますが、ほとんどの痛みは対処可能です。
また、ワイヤー矯正と比較しても痛みの少ない矯正と言えます。
そこで今回は、インビザラインで痛いと感じる9パターンと対処法を紹介していきます。
この記事を読めば、インビザラインで痛みが発生する原因を理解し、実際に痛みを感じても適切に対処できます。
現在インビザラインで痛みのある方は、ぜひご覧ください。
- 2.1矯正開始直後に痛い
- 2.2アライナー交換直後に痛い
- 2.3久しぶりに装着して痛い
- 2.5チューイーを噛むと痛い
- 2.6アタッチメントが痛い
- 2.7リテーナーが痛い
- 2.8食べ物を噛んで痛い
- 2.9虫歯や歯周病になって痛い
- 5まとめ
インビザラインで痛いのは歯が動いているから
インビザラインは痛みの少ない歯科矯正方法として人気ですが、痛みを感じることがあります。
しかし、インビザラインに限らず歯列矯正で痛みを感じるのは、「歯が動いているから」ともいえます。
なぜなら歯が動くと、痛みを感じさせる物質が発生するからです。
歯列矯正では、矯正器具を用いて、歯を動かしたい方向に力を加えていきます。
歯に力が加わると、歯槽骨という歯根にある骨の吸収・形成が繰り返され、少しずつ歯を動かしていくことができます。
骨の吸収を担っているのが、「破骨細胞」という細胞。
そしてこの破骨細胞は、骨を吸収する際に、痛みのもととなる物質を発生させるのです。
つまり、個人差はありますが、歯を動かす歯列矯正で、ある程度の痛みを感じるのは自然なこといえます。
しかし、痛みが強ければ強いほど、矯正が上手くいっているということではありません。
あまりに痛みが強く、長く続く場合は、異常が起きている可能性もあります。
インビザラインで痛いと感じるのは「歯が動いているから」といえます。
痛みが強い場合や痛みが続く場合は、次の項目で紹介する9パターンと照らし合わせて、対処法を試してみましょう。
インビザラインで痛いと感じる9パターン
インビザラインは痛いと感じることがありますが、そのほとんどは対処が可能。
ここからは、インビザラインで痛いと感じる9パターンと、それぞれの痛みへの対処法を紹介していきます。
矯正開始直後に痛い
インビザラインで矯正を開始して間もなく、痛いと感じることがあります。
多くの方が、初めてアライナーを装着したときに、締め付けられているような感覚を覚えるようです。
アライナーの装着に慣れていないことに加えて、現状の歯並びとアライナーの形状の差がやや大きいことが原因。
矯正開始直後の痛みは、アライナーの装着に慣れていく過程なので、基本的に心配はありません。
ほとんどの場合、3日ほどで装着時の違和感や痛みは薄れていきます。
「インビザラインは痛いものだ」
「この痛みはいつまで続くんだろうか」
と考えてアライナーの装着をやめてしまう方もいますが、インビザラインで理想の歯並びを手に入れるには、最初の痛みを乗り越えることが重要です。
対処法:短い装着時間から慣れていく
インビザラインを始めたばかりで痛みがある場合は、少しずつ慣れていくようにしましょう。
インビザラインは1日20時間以上のアライナー装着が推奨されています。
最初の痛みは慣れによって消えていくため、少し痛みがあっても装着を続けて20時間の装着時間を確保することが大切。
しかし最初で無理に装着を続けて、イヤになって矯正をやめてしまっては、歯並びが整っていくことはありません。
長時間の装着が困難であれば、「仕事中のみ」「授業中のみ」のように時間を限定して、装着に慣れていきましょう。
アライナー交換直後に痛い
インビザラインでは、定期的にアライナーを交換しながら歯を動かしていきます。
2枚目以降、交換直後に痛いと感じることがあります。
なぜなら、アライナー交換直後は、現在の歯並びとアライナーの形状のズレが大きいからです。
少しずつ歯を動かしてアライナーの形に合わせていきますが、ズレが大きいだけ締め付けられる感触が強くなります。
インビザライン1枚目と同様に、歯が動くにつれて、3日ほどで痛みは薄れていきます。
対処法:前のアライナーを延長する
アライナー交換直後の痛みは自然なものなので、装着を続けて慣れることがベストです。
しかし、交換直後の痛みが強い場合は、前のアライナーを延長しましょう。
延長する期間の目安は、毎朝新しいアライナーの装着にトライし、装着できそうになるまでです。
本来交換すべきタイミングから1週間経っても、新しいアライナーの装着で強い痛みがある場合は、できるだけ早く歯科医師に相談しましょう。
久しぶりに装着して痛い
しばらくアライナーを装着しない期間が続き、久しぶりに装着すると、痛いと感じることがあります。
これは、矯正器具を着けていなかった間に、歯が後戻りしているため。
歯は、せっかく力をかけて動かしても、急に力をかけるのをやめてしまうと、元の位置に戻ろうとします。
その結果、中断時から歯の位置が変わってしまい、中断時のアライナーがピッタリはまらなくなって、痛みが発生しているのです。
装着しなかった期間が2週間以下であれば、再装着時の痛みはそれほどないでしょう。
1ヶ月以上空けてしまうと、痛みが生じてしまう可能性があります。
対処法:再開前に歯科医師の診察を受ける
久しぶりの装着での痛みへの対処は、インビザラインに中断期間を作らないことです。
しかし何らかの理由で、アライナーを装着できない期間が発生することもあるでしょう。
中断期間が生じてしまった場合は、できるだけ再装着前に歯科医師に相談することをおすすめします。
中断期間が短く、中断したアライナーを装着をしても痛みがない場合は、そのまま装着を続けてもかまいません。
インビザラインは、毎日20時間以上装着することを前提として治療計画を設計しています。
装着しない期間が生じてしまうと、歯を計画通りに動かすことができず、矯正期間の延長につながってしまいます。
インビザラインのアライナーは毎日装着することがベストです。
久しぶりの装着で痛いと感じた場合は、無理に装着を続けず、担当の歯科医師を受診しましょう。
アライナーの縁が歯茎が当たって痛い
インビザラインでの矯正で、歯茎に痛みを感じることがあります。
その原因の一つが、アライナーの縁が歯茎に当たっていることです。
インビザラインのアライナーは、前歯から奥歯までの歯列全体を覆うように作られています。
そのため、縁がちょうど歯茎にかかってしまって、痛み感じる場合があるのです。
対処法:アライナーの縁を削ってもらう
アライナーによって歯茎に痛みがある場合は、歯科医院でアライナーの縁を削ってもらいましょう。
インビザラインのアライナーはプラスチックでできているため、削って加工できます。
しかし、患者さん自身でアライナーを削ることは避けましょう。
削りすぎてしまう可能性があります。
アライナーを削りすぎてしまうと、かえって縁が鋭利になってしまったり、歯にはまらなくしまったりすることにつながります。
アライナーの縁が歯茎に当たって痛いときは、歯科医院で縁を削ってもらいましょう。
チューイーを噛むと痛い
インビザラインでは、アライナーをピッタリと装着するために「チューイー」と呼ばれる、シリコン製の棒を利用します。
アライナーを歯に装着して、チューイーを噛むことでアライナーを歯列に押しはめていくような使い方です。
このチューイーを噛むと、痛みを感じることがあります。
対処法:噛み方と時間を見直す
チューイーを噛むことによる痛みは、アライナーがピッタリはまることで生じる締め付け感であることが多いです
あまりに痛みが強い場合は、チューイーの噛み方を見直してみましょう。
強く噛みすぎると痛みが生じる可能性が高くなります。
また、噛む時間も見直してみましょう。
新しいアライナーに交換したばかりのときは、歯列になかなかアライナーがフィットしにくいこともあるため、20分くらい噛むことがおすすめです。
交換して4日目くらいからは、噛む時間は5分程度でかまいません。
矯正中は力をかけている影響で、歯根が痛みを感じやすくなっています、
毎日20分間強い力でチューイーを噛んでいると、根元から痛みを感じる可能性が高まります。
チューイーを噛んで痛みを感じる場合は、長く強く噛みすぎていないか意識してみましょう。
また、痛みを感じやすいサイドから先に噛んでいく、もしくは後に噛んでいく、など噛む位置の順番も工夫してみましょう。
アタッチメントが痛い
インビザラインを用いた矯正では、「アタッチメント」という樹脂製の突起物を歯に設置します。
アタッチメントの設置によって、アライナーがより歯列にフィットするようになります。
しかし、歯の表面に突起物を付けることになるため、アタッチメントによって口内を傷つけてしまうことも。
アライナーを装着しているときはアタッチメントも覆われるため、口内のどこかに触れることはありません。
問題は、アライナーを外しているとき。
食事をとるときや色の濃い飲み物を飲むときは、アライナーを外します。
その時に口内を傷つけてしまう可能性があるのです。
特に舌や唇、頬に口内炎が発生してしまうケースが多いです。
対処法:矯正用ワックスの利用
アタッチメントが痛いと感じる場合は、矯正用ワックスの利用を検討してみましょう。
矯正用ワックスをアタッチメントにつけることで、出っ張りをなめらかにできます。
矯正用ワックスは、矯正をしている歯科医院だけでなく、通販サイトでも購入が可能性です。
リテーナーが痛い
インビザラインでは、アライナーを交換しながら歯を動かしていきます。
歯を動かし終えると、歯を新しい位置に固定する「保定期間」に入ります。
保定期間に装着するのが、「リテーナー」と呼ばれるマウスピース型の装置。
そのリテーナーを装着すると、痛みが生じたというケースがあります。
リテーナーは歯列を今の並びで固定することが目的のため、アライナーよりも硬いのが特徴です。
今まで装着してきたアライナーと同じ感覚で、装着すると慣れない硬さに痛いと感じることがあるのです。
対処法:装着方法を工夫する
リテーナーの装着で痛いと感じる場合は、装着方法を工夫してみましょう。
リテーナーはアライナーより硬く作られているため、アライナーの装着と同じ感覚で押し込むと痛みが生じる可能性があります。
フィットさせると痛い場合は、痛みが生じない最適な位置を見つけて装着しましょう。
しかし、リテーナーは歯の後戻りを防ぐのが目的のため、リテーナーより密着感が生じてしまうことはあります。
あまりに痛みが強い場合は、早めに担当の歯科医師に相談しましょう。
食べ物を噛んで痛い
インビザラインでの矯正中に食べ物を噛んで痛いことがあります。
原因は、歯に力をかけ続けたことで、歯根膜という歯根の組織が敏感になっていることです。
歯根膜は、歯が受ける圧力を和らげるはたらきをします。
特にステーキやせんべい、バゲットなどの硬い食べ物は、噛むときに大きな圧力がかかってしまうため、痛みにつながる可能性が高いです。
対処法:食べ物を細かくする
食べ物を噛んで痛みを感じる場合は、食べ物を細かくしましょう。
食べ物を細かくすれば、強く噛む必要もなく、歯列が受ける圧力も小さくなります。
野菜や果物の場合は、スムージーにして摂取することも可能です。
やわらかい食べ物を優先的に食べるもの対処法の一つです。
たとえば、おかゆやリゾットなどがあります。
インビザラインを含むマウスピース矯正中の食事については、「マウスピース矯正中は食事の制限がない?注意点を完全解説」もあわせてご覧ください。
虫歯や歯周病になって痛い
インビザラインでの矯正中に虫歯や歯周病になって、痛いと感じることがあります。
インビザラインのアライナーは患者さん自身で着脱が可能なため、食事や歯磨きの際は外すことが可能。
つまり、ずっと装着したままのワイヤー矯正より、口内環境を清潔に保ちやすくなっています。
しかし、食後の歯磨きやアライナーのクリーニングを怠ると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
インビザラインでは、食後に歯磨きをしないと、食べかすにフタをすることになるからです。
通常なら、食後に歯磨きをしないでも食べかすは、唾液や摂取した水分によって流されていきます。
食後に歯磨きをせず、アライナーを装着すると、アライナーの内側には水分がうまく循環しないため、食べかすは口の中に残り続けます。
その食べかすに細菌が集まり、虫歯や歯周病になっていくのです。
対処法:矯正を中断して治療する
矯正中に虫歯や歯周病で痛みを感じるようになったら、矯正を止めて治療をすることが大切です。
虫歯や歯周病を放置すると、歯が欠けることにつながったり、治療で歯を大きく削らないといけないような状態になります。
その結果、アライナーがはまらなくなると、再作製が必要になってしまう可能性もあります。
矯正中に歯に痛みを感じて、歯ぐきの腫れや歯表面に黒い点が見られるようになったら、担当の歯科医師に相談しましょう。
痛い状態が続くなら痛み止め(鎮痛剤)を飲んでもいい
インビザライン利用中で痛い状態が続くなら、痛み止め(鎮痛剤)を飲んでも問題ありません。
基本的に痛み止めは市販のもので構いません。
ただし歯科医師によっては、痛み止めの種類に指定もあります。
たとえば、ロキソニンのようなイブプロフェン鎮痛剤。
強い鎮痛作用を持ちますが、常用によって歯の動きを阻害してしまうことがあります。
そのため、代わりに歯科医師から、カロナールのようなアセトアミノフェン鎮痛剤が商法されることも。
イブプロフェン鎮痛剤と比べて、アセトアミノフェン鎮痛剤は歯に与える影響が少ないと考えられています。
歯に痛みを感じやすい方や痛みがしばらく続いている方は、あらかじめ定期通院の際に、痛み止めについて歯科医師に相談しておくことをおすすめします。
インビザラインはワイヤー矯正より痛いのか
ここまで紹介した痛みの例を見ると、インビザラインは痛みを感じることがよくあるように思えます。
しかし、インビザラインはワイヤー矯正と比較すると、痛みの少ない歯科矯正方法です。
インビザラインの材質はプラスチックのため、金属ワイヤーのような締め付け感はありません。
またインビザラインでは、専用のソフトウェアを用いたシミュレーションによって、治療で必要な歯の動きを可視化できます。
つまり、シミュレーションの段階で、歯に強い力のかかりそうな動きを取り除いて、過不足のない力のかけ方を計画することが可能となっているのです。
仮に痛みが発生したときに、患者さん自身で矯正器具を取り外すことができるのも、ワイヤー矯正にはないメリットといえます。
まとめ
インビザラインを用いた歯列矯正では、痛いと感じることがあります。
しかし、ほとんどの痛みは対処が可能。
矯正開始直後の痛みやアライナー交換直後の痛みなどは、矯正において自然なものなので、心配することなく少しずつ装着に慣れていくことが大切です。
矯正中に痛みを感じた場合は、まず今回紹介した痛みの例と対処法を参考にしてみましょう。
ただし、どのような原因でも、持続的に強い痛みを感じる場合は、なるべく早く歯科医師に相談することをおすすめします。
それでも痛みが解決しない場合は、「セカンドオピニオン」を検討してみましょう。
セカンドオピニオンとは、現在通院している医療機関とは異なる医療機関で、治療についての意見を受けることを指します。
歯列矯正であれば、現在矯正治療を受けている歯科医院とは別の歯科医院を受診することになります。
当サイトではインビザライン矯正が受けられるおすすめの医院を紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。
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