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八重歯はマウスピース矯正で治療できる?ワイヤー矯正のほうがいい?

この記事の監修者

三上 智彦

医療法人社団佑健会

作成日のアイコン

2023/1/16

最終更新日のアイコン

2024/7/18

#マウスピース矯正

コラムのサムネイル

「八重歯は何矯正で治療すればいいの?」

「自分の八重歯はマウスピース矯正で治療できるの?」

気になる八重歯を治療するにあたり、最近注目されているマウスピース矯正を検討されている方は多いでしょう。

実際に自分の八重歯がマウスピース矯正で治療できるのか気になりますよね。また「本当はワイヤー矯正の方がいいのではないか」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

結論、八重歯はマウスピース矯正で治療できます。ただし、症例によってはマウスピース矯正で治療が難しく、ワイヤー矯正のほうがおすすめなケースも存在するのです。

この記事では具体的にどのような人にマウスピース矯正がおすすめなのか、ワイヤー矯正を選択したほうがいい人の特徴と併せて紹介しております。

他にはマウスピース矯正で八重歯の治療をお考えの方に向けて、抜歯が必要なケース・不要なケース、治療でよくあるトラブルなどを解説しております。

八重歯をマウスピース矯正で治療するうえで気になる、治療にかかる期間や費用の目安も紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

八重歯を治療するならマウスピース矯正?ワイヤー矯正?

八重歯を治療するうえで「マウスピース矯正」か「ワイヤー矯正」どちらを選ぶかで迷われている方は多くいらっしゃるでしょう。

まず前提として、マウスピース矯正とワイヤー矯正はどちらでも八重歯を治療できます。


ただし、それぞれ八重歯を治療するうえでメリットが異なるので、自分のニーズに合わせて比較検討することが重要です。

マウスピース矯正がおすすめな人

矯正治療中であってもストレスなく食事や歯磨きをしたい人には、マウスピース矯正がおすすめといえるでしょう。

一般的なワイヤー矯正では、金属のブラケットやワイヤーといった目立つ装置を歯に固定するため、食事や歯磨きがしにくくなります。

一方、マウスピース矯正は自分で矯正装置を着脱できるので、食事や歯磨きの際に取り外すことで、治療前と同じように食事や歯磨きができるのです。

マウスピース矯正のメリットについては「マウスピース矯正のデメリット・メリットは?ワイヤー矯正と徹底比較」の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。

ワイヤー矯正がおすすめな人

八重歯のなかでも難症例の人には、ワイヤー矯正がおすすめです。

ワイヤー矯正とは、ブラケットやワイヤーと呼ばれる装置を歯に取り付けておこなう矯正治療の方法です。

八重歯のなかでも歯同士の重なりがトータルで7mm以上ある場合は、難症例とされるケースがあります。

難症例の場合、マウスピース矯正だけでは治療できない可能性が高いです。

マウスピース矯正だけでは治療が難しい症例に関しては「マウスピース矯正ができないのはどんな人・症例?4つの例を解説」の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。

難症例の場合でもワイヤー矯正は避けたいと考える方もいらっしゃるでしょう。

マウスピース矯正だけでは治療が困難な場合は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用することも手段の一つとなります。

マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用することで、ワイヤー矯正の期間をできる限り短くできるのです。

また、ワイヤー矯正であっても歯の裏側に装置を取り付ける裏側矯正や、白や透明な装置を用いた目立たない治療法があります。

歯同士の重なりがトータルで7mm以上を目安として、難症例に該当する可能性がある場合は、ワイヤー矯正も検討するといいでしょう。

八重歯をマウスピース矯正で治療する場合の費用相場

八重歯をマウスピース矯正で治療する場合の費用相場は、歯並び全体を整える全顎矯正で治療するか、歯並びが気になる部分だけを治療する部分矯正で治療するかによって異なります。

マウスピース矯正のなかでも全顎矯正で八重歯を治療する場合の費用相場は、60万〜100万円程度です。

同じマウスピース矯正であっても部分矯正で八重歯を治療する場合の費用相場は、10万〜70万円程度と全顎矯正よりも費用を抑えられます。

ただし、部分矯正はあくまでも見た目の改善を目的とした治療です。

噛み合わせが悪い場合や、難症例の場合は部分矯正では対応できないケースもあります。

マウスピース矯正の詳しい費用相場については「マウスピース矯正の費用はどれくらい?相場や内訳を解説」の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。

八重歯をマウスピース矯正で治療する場合の期間の目安

八重歯をマウスピース矯正で治療する場合の期間の目安は、歯並び全体を整える全顎矯正の場合は1年〜3年程度、歯並びが気になる部分だけを治療する部分矯正の場合は6ヶ月〜2年程度です。

上記の期間に加えて、矯正治療には装置の装着が必要なくなったあとにも、保定期間という歯並びを安定させるための期間が必要になります。

マウスピース矯正にかかる期間の目安については「マウスピース矯正の期間は長い?期間を延ばさない5つのコツ」でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

八重歯をマウスピース矯正で治療する際によくあるトラブル

八重歯をマウスピース矯正で治療する際には、注意すべきトラブルが存在します。

それは下記のとおりです。

・八重歯の部分だけマウスピースが浮く
・ワイヤー矯正の併用が必要になるケースがある

それぞれ詳しく解説します。

八重歯の部分だけマウスピースが浮く

マウスピース矯正において、八重歯の部分だけマウスピースが浮くことは、よくあるトラブルの一つです。

浮いたマウスピースが頬に当たり、痛みや違和感が生じるケースは少なくありません。

また、マウスピースがきちんと密着していないと歯に適切な力を伝えられないので、治療計画に遅れが生じるリスクもあります。

八重歯の部分だけマウスピースが浮く場合の対処法は「アライナーチューイーの使用」と「アタッチメントの装着」が有効です。

まずアライナーチューイーとは、マウスピースを歯にしっかりと密着させるために使用する道具のことです。

弾力のあるシリコン製のチューブでできており、マウスピースを装着した状態で噛んで使用します。

次にアタッチメントとは、マウスピースを密着させるために歯へ取り付ける突起状の装置です。

適切な箇所にアタッチメントを取り付けることで、歯とマウスピースを密着させ、歯の移動をコントロールすることができます。

ただし、アタッチメントは自分で装着することができないため、活用したい場合は歯科医師への相談が必要です。

ワイヤー矯正の併用が必要になるケースがある

八重歯をマウスピース矯正で治療する場合、なかにはワイヤー矯正の併用が必要になるケースもあります。

マウスピース矯正で治療を開始して、歯が計画どおりに移動しない場合は、ワイヤー矯正の併用が必要です。

特に八重歯を治療する際には歯を移動させる距離が長いので、ワイヤー矯正を併用するケースも少なくありません。

マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用する場合は、より深い専門知識と技術が必要になるので、歯科医院選びが重要になります。

マウスピース矯正では治療できない八重歯の症例

八重歯をマウスピース矯正で治療したくても、なかには治療が困難な症例も存在します。

マウスピース矯正では治療できない八重歯の症例は下記のとおりです。

・八重歯の症状が重度である
・八重歯の原因が骨格にある
・抜歯が必要となる本数が多い

それぞれ詳しく解説します。

八重歯の症状が重度である

八重歯の症状が重度である場合は、マウスピース矯正だけで治療できない可能性があります。

具体的には「八重歯のなかでも歯同士の重なりがトータルで7mm以上ある場合」は、マウスピース矯正だけでは治療が困難です。

そのような場合は、ワイヤー矯正で治療をするか、マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用して治療する必要があります。

八重歯の原因が骨格にある

八重歯の原因が骨格にあるケースがあります。

その場合、マウスピース矯正を含めて矯正治療だけでは症状の改善が困難です。

骨格が原因で歯並びが乱れている場合は、矯正治療に加えて外科手術をすることで症状を改善する必要があります。

抜歯が必要となる本数が多い

八重歯を治療するために複数の抜歯が必要になる場合は、マウスピース矯正だけでは治療できない可能性が高いです。

抜歯が多い矯正治療の場合、抜歯したスペースを埋めるために歯を平行移動させる必要があります。

しかし、マウスピース矯正は歯の平行移動を得意としていません。

抜歯の本数が多くなると、歯を平行移動させる距離が長くなってしまい、マウスピース矯正だけでは治療できなくなってしまうのです。

マウスピース矯正と比較して、ワイヤー矯正は歯の平行移動を得意としています。

八重歯を治療するために複数の抜歯が必要になる場合は、マウスピース矯正とワイヤー矯正の併用を検討するといいでしょう。

抜歯をしないでスペースを確保する方法

八重歯を治療する際には、歯をキレイに並べるスペースを確保するために抜歯が必要になるケースが多いです。

しかし、抜歯は避けたいと考える方もいらっしゃるでしょう。

そこで、抜歯をしないで歯をキレイに並べるスペースを確保する方法について紹介します。

また、抜歯をしないでスペースを確保する方法については「インビザラインは抜歯ありの症例でもOK?抜歯なしで進める方法は?」でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

IPR(InterProximal Reduction)

IPRとはInter Proximal Reductionの略で、ディスキングとも呼ばれます。

具体的には、歯の表層を少し切削してスペースを作る施術のことです。

歯を切削すると聞いて抵抗感がある方もいらっしゃるでしょう。

しかし、歯の表面はエナメル質という層でできており、コンマ数mm切削する分には問題ありません。

仮にすべての歯にIPRをおこなうことで、約歯1本分のスペースを作れます。

歯列の側方拡大

側方拡大とは、歯並びの横幅を広げる施術のことです。

特に子どもの場合は顎の成長を利用して側方拡大をすることで、スペースの確保がしやすいです。

一方、大人の場合は顎の成長が止まっているため、側方拡大できる量に限りがあります。

無理をして側方拡大をしてしまうと奥歯が噛み合わなくなってしまったり、歯ぐきが下がったりするリスクがあるので注意が必要です。

臼歯の後方移動

臼歯を後方移動することで、歯をキレイに並べるためのスペースを確保できるケースがあります。

臼歯とは、犬歯の奥に位置する歯のことで、みなさんが奥歯と呼ぶ歯のことです。

犬歯の隣に位置する歯を「小臼歯」といい、その奥が「大臼歯」、それらを併せて「臼歯部」と呼びます。

臼歯いわゆる奥歯を順番に奥へ移動させることで、抜歯をせずに歯をキレイに並べるスペースを確保できる可能性があるのです。
しかし、奥歯の後方に親知らずの歯がある方は抜歯しなくてはならない場合もあります。

八重歯の治療で抜歯が必要なケース

八重歯を治療するにあたって、症状が軽度な場合は非抜歯または抜歯以外のスペースを確保する方法によって治療できる可能性があります。

しかし、なかには八重歯を治療するために抜歯が必要になるケースもあるのです。

八重歯の治療で抜歯が必要なケースは下記のとおり。

・八重歯が歯列から完全に外れている場合
・八重歯が周囲の歯と重なることで歯周病のリスクが高い場合
・八重歯自体の問題によって寿命が短くなっている場合

それぞれ詳しく解説します。

八重歯が歯列から完全に外れている場合

八重歯が歯列から完全に外れている場合は、抜歯をしたほうが歯並びや噛み合わせがスムーズに改善できる可能性が高いです。

他の歯には大きな問題が見られず、八重歯が歯列から完全に外れている場合は八重歯自体の抜歯を検討したほうがいいケースもあります。

八重歯が周囲の歯と重なることで歯周病のリスクが高い場合

八重歯が周囲の歯と重なることで歯周病のリスクが高い場合も、抜歯を検討したほうがいいでしょう。

八重歯が周囲の歯と重なっていると、歯周病が進行しやすくなります。

その理由として、八重歯は歯を覆う歯槽骨が薄いからです。

歯槽骨が薄いと、歯周病は早く進行します。

八重歯が周囲の歯と重なることで歯周病のリスクが高い場合は、抜歯をして治療することで、八重歯を改善できるだけでなく、歯周病のリスクも軽減できるでしょう。

八重歯自体の問題によって寿命が短くなっている場合

八重歯自体の問題によって寿命が短くなっている場合も、抜歯が必要になる可能性が高いといえるでしょう。

その理由として、八重歯自体の寿命が短くなっていると、他の健康な歯に影響を与えるリスクがあるからです。

また、八重歯自体の寿命が短くなっていると、アクシデントによって歯根が割れてしまうリスクもあります。

これらのリスクを回避するために、八重歯自体の問題によって寿命が短くなっている場合は抜歯をしたほうがいいでしょう。

チャームポイントとして八重歯を残す選択肢はあるのか

八重歯がある方のなかには「八重歯はチャームポイントとして残して、その他の歯がガタガタな部分だけを治療したい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

実際に日本では、八重歯はチャームポイントの一つという考えが昔からあります。

しかし、八重歯をチャームポイントと考えるのは日本だけです。

海外のなかでも特に欧米では、八重歯が認められておらず、狼男やドラキュラなどと関連づけられて忌み嫌われることがあります。

また、海外では歯並びが一種のステータスととらえられます。

グローバルに活躍したい方にとっては、八重歯を残すことがビジネスのハンデとなるリスクもあるのです。

八重歯を治療せずに残すリスク

八重歯を治療せずにそのまま残すと、見た目の問題だけでなく、健康にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

想定されるリスクは下記のとおりです。

・虫歯や歯周病になりやすい
・口内を傷つけやすい
・噛み合わせが悪くなる
・肩こりや頭痛になりやすい

それぞれ詳しく解説します。

虫歯や歯周病になりやすい

八重歯を治療せずに放置してしまうと、虫歯や歯周病になりやすくなります。

その理由として、八重歯は他の歯と重なり合っているケースが多く、歯ブラシが隅々まで届きにくいからです。

日々の歯磨きで隅々まで掃除ができないと、虫歯や歯周病の原因となる汚れや細菌が溜まってしまいます。

また、歯が重なり合った部分はレントゲンにも映りにくいです。

八重歯が他の歯と重なり合っていると、虫歯や歯周病の早期発見が難しいため、気付いた頃には手遅れになっているケースも少なくありません。

口内を傷つけやすい

八重歯は歯列からはみ出しているケースが多く、口内を傷つけやすいです。

口内の粘膜が傷つくと、そこから細菌が入り込むことで口内炎に繋がることも少なくありません。

特に犬歯が歯列からはみ出して八重歯となっている場合、犬歯は先端が鋭く尖っているため、口内を傷つけやすいです。

噛み合わせが悪くなる

基本的に人間の歯は親知らずを含めて上下16本ずつ、合計32本です。

本来であれば、この上下16本ずつの歯がうまく噛み合うようにできています。

しかし、八重歯があると必然的に歯は上下で噛み合わなくなってしまいます。

噛み合わせが悪いと、食べ物がうまく噛み切れません。

また、他の歯への負担も大きくなってしまい、歯がすり減ったり欠けたりするリスクもあるのです。

肩こりや頭痛になりやすい

八重歯があると上下の歯がうまく噛み合わないため、噛むたびに顎の関節に大きな負担がかかります。

すると、首の周りにある筋肉は常に緊張した状態になり、肩こりを引き起こしてしまうのです。

また、筋肉が常に緊張状態だと、血行が悪くなります。

首の周りにある筋肉が緊張した状態だと、頭への血行が悪くなってしまい、頭痛を引き起こしてしまうのです。

まとめ

八重歯はマウスピース矯正で治療できます。

ただし、症例によってはワイヤー矯正のほうが治療に適しているケースもあることも把握しておくといいでしょう。

また、八重歯をチャームポイントとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、なかには八重歯をチャームポイントとして残しても問題ないケースがあります。

しかし、八重歯を治療せずに放置することで、見た目だけでなく健康面にも悪影響を及ぼすリスクがあるのです。

そのようなリスクを回避するためにも、八重歯の治療を検討しましょう。

当サイトではマウスピース矯正が受けられるおすすめの歯科医院を紹介しています。

マウスピース矯正を検討しているという方は、ぜひご覧になってみてください。

この記事の監修者

経歴

2008年 東京歯科大学歯学部卒業 2009年 東京歯科大学歯学部附属病院臨床研修修了 2012年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 顎顔面矯正学分野矯正歯科専攻生課程修了 2012年- 千葉県内矯正歯科医院勤務、医療法人社団佑健会勤務

コメント

日本矯正歯科学会認定医/インビザライン認定ドクター 柏KT矯正歯科 院長。東京歯科大学卒。同大学院の矯正歯科専攻生課程修了。認定医やインビザライン認定ドクターの知識や数千ある治療経験から患者様の最適な治療を提案し、理想のゴールへ一歩でも近づけるような治療を心がけています。

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