歯列矯正はやめたほうがいい?やめたほうがいい場合のまとめと対処法
2023/1/30
2024/7/18
#矯正歯科
「大人の歯列矯正はやめたほうがいいと聞いたけど、本当に大丈夫?」
「歯列矯正って危険なの?」
歯列矯正をはじめてみたいと思ったけど、やめたほうがいいと聞いて不安になってしまったことがある方。
歯列矯正は、一概にみな辞めた方がいい治療では決してなく、むしろ歯並びをきれいにすることで本人に自信をもたらしたり、健康に寄与したりする素晴らしい治療です。
しかし、歯列矯正はやめたほうがいいといわれる理由は一体何なんでしょうか。
本記事では、その原因を調査しました。
歯列矯正に対して正しい理解が進み、歯列矯正をする場合でも正しい選択ができるようにあと押しするための記事になっています。
- 2.1虫歯や歯周病がある人
- 2.4顎関節症の人
- 2.5定期的な通院ができない人
- 4まとめ
歯列矯正はやめたほうがいいと言われる真相
歯列矯正を検討していて、やめたほうがいいという記事を見たり声を聞いたりすると、不安になってしまったという方もいらっしゃると思います。
やめたほうがいいと実際に感じた人は、実際に治療に失敗したり、治療に対して後悔しているから他の方にも「歯列矯正はやめたほうがいい」と善意でアドバイスをしている可能性があるのです。
さまざまなケースを紹介し、それらに対しての見解や対処法をお伝えします。
歯列矯正で失敗した人の声があるから
大きく分けて歯列矯正の失敗を経験し「やめたほうがいい」と言っているタイプのご紹介です。
出っ歯になった
歯列矯正をおこなった結果として出っ歯になった人が「歯列矯正はやめたほうがいい」と言っている可能性があります。
では、そもそも歯列矯正で出っ歯になる可能性はあるのでしょうか。
結論から言えば、歯列矯正で出っ歯になることはあります。
その原因は、患者さんと歯科医師のコミュニケーション不足による失敗、治療計画のミスなどがあげられます。
がたがたの歯並びを治す際に、歯を並べるスペースを作る必要があるのです。
悪い歯並びの原因は、歯に対して生えるスペースが足りないことです。
その歯を並べるスペースを作るときに、歯並びを全体的に前にずらすやり方を「前方拡大」と言います。
特殊なケース以外では適用しない場合がほとんどです。
しかし、その前方拡大をすることで歯並びが前に突き出て、出っ歯になってしまうのです。
詳しい解説は「歯列矯正をやらなきゃよかった14の要因と対策・予防策の記事内の歯列矯正後に出っ歯になってしまった」の項目に詳細があります。
後戻りした
後戻りとは、矯正治療の終了後に歯並びがもとに戻ってしまうことです。
歯というのは、もともと生えていた場所を記憶していると言われています。
また矯正で動かした歯は安定をしておらず、ほっておくとどんどん元の歯並びに戻っていってしまいます。
そのため、矯正治療が終わったのちに保定という作業をするのです。
しかし、保定期間中に保定装置を充分につけていないと後戻りを発生させてしまいます。
また歯並びを悪化させる原因が、舌癖などだった場合、その習慣が治っていない場合に、後戻りをしてしまう可能性があります。
せっかく高い治療費を払ったのにも関わらず、歯並びがもとに戻ってしまった方は歯列矯正をやらなきゃよかったと感じるのも無理はないでしょう。
噛み合わせが悪くなった
歯列矯正の結果、噛み合わせが悪くなったり、噛み合わせが悪くなったと感じるようになったりします。
それらの原因についてそれぞれ説明します。
矯正後に親知らずが生えてきた
これは直接、歯列矯正の失敗とはいえないケースではあるものの、歯列矯正をしたあとに親知らずが生えて来た場合、親知らずが他の歯を押し出すことで歯並びや噛み合わせを悪くしてしまうことがあります。
歯列矯正に影響するような親知らずの場合は、抜歯したあとに矯正治療を開始するような対策が必要です。
歯の高さを変える矯正をした
ゴムかけなどを使って、歯の高さを変えるような矯正治療をおこなった場合、矯正治療後に噛み合わせに違和感がある場合もあるようです。
矯正治療前の診断や、治療計画の精度がよくない場合に噛み合わせに違和感が発生したり、実際に悪くなったりするようです。
抜歯による矯正をおこなった
抜歯による矯正は、歯の移動距離が抜歯しない矯正と比較して歯の移動距離が大きくなります。
よって、矯正前と矯正後の歯並びに大きな変化があり、それによって噛み合わせにも変化が生まれ「噛み合わせが悪くなった」と感じる場合があります。
実際は噛み合わせは悪くなっていない可能性もあるまで、慣れるまで待つというのも一つの手です。
きれいに歯が並ばなかった
歯列矯正で歯がきれいに並ばなかったというのは、歯列矯正の失敗例です。
治療計画や、診断ミスが原因できれいに並ばない可能性があります。
またマウスピース矯正の場合は、自己管理不足で歯がきれいに並ばない可能性が高いです。
マウスピース矯正は1日20時間以上もしくは22時間以上、矯正装置をつける必要があります。
しかし、取り外し可能なため、矯正患者の自己管理能力によって、装着時間が守れないという場合もあるようです。
装着時間が守れていないと計画通りに歯が並ばないことが起こりえます。
虫歯や歯周病になった・悪化した
矯正治療をおこなって、虫歯や歯周病になったり悪化したりする場合があります。
まず矯正治療をおこなう場合、虫歯や歯周病は治療をしてから矯正治療をおこないます。
なぜなら、矯正治療中は虫歯や歯周病の治療がなかなかできず、むしろ悪化のリスクが高まるからです。
たとえば虫歯については、ワイヤー矯正の場合、歯の清掃がしづらく虫歯になりやすい口内環境になる場合があります。
マウスピース矯正の場合は、歯にマウスピース型の矯正装置をつけ、その際に糖分などを摂取するとマウスピースと歯の間に糖分がたまってしまって、虫歯リスクが上がる可能性があるのです。
また唾液は虫歯を予防するために重要な役割をもっています。
ただ、マウスピースをすることで唾液が歯に行き届かなくなってしまうのです。
それにより虫歯リスクがあがると考えられます。
歯列矯正で後悔した人の声があるから
歯列矯正が失敗していなかった場合でも、歯列矯正に対して後悔をしてしまう方もなかにはいらっしゃいます。
そういう方が歯列矯正をやめたほうがいいと言っている場合があるため、そういった声もご紹介します。
治療期間が長い
まず歯列矯正治療の治療期間が長くて後悔した人がいると思います。
歯全体を動かしていくフル矯正では、矯正治療期間が3年などになるケースも少なくありません。
また歯並びがきれいになったあとも、歯並びを固定するための保定という期間が設けられます。
保定期間については、おおよそ治療期間と同等の時間がかかるため、保定期間も含め6年以上の治療期間もありえます。
ずっと装置をつけ続けなければいけないというストレスで「やめたほうがいい」と感じる人もいるようです。
費用がかかりすぎた
矯正治療は数十万円から数百万円かかる非常に高額な治療です。
矯正治療の費用体系については、各歯科医院や患者様によって異なるのは前提として、総額制などではない場合、予想以上に費用がかかってしまったという場合があります。
総額制とは、治療期間が伸びてしまったとしても費用が変わらない報酬体系のことです。
総額制ではない場合は、治療期間が伸びてしまった際に診察代などの治療費が追加で発生してしまいます。
また矯正治療が失敗して矯正治療のやり直しになった際には、想定していた以上の費用が発生してしまうことで「やめたほうがいい」と感じる人がいるようです。
痛い
矯正治療は、痛みがともなう場合があります。
よくある痛みは、歯に力をかけるため炎症が起こり痛むもの、装置と口がぶつかることによって痛むものです。
その痛みが耐えられないほど痛いと感じる人がいるようで「やめたほうがいい」と感じる方がいます。
痛みについては、一時的なもので痛み止めを飲むことでしのいでもらうことが多いようです。
歯ぐきが下がった
歯列矯正をおこなうことで、歯ぐきが下がってしまうことはあります。
もともと歯が埋まっている骨が薄い人は、歯列矯正によって歯ぐきが下がってしまうことがあります。
歯ぐきが下がってしまうことで、老けた印象の口元になってしまい、歯並びはきれいになっても「やめたほうがいい」と感じる人がいるようです。
ブサイクになったと感じた
歯列矯正でブサイクになってしまったと感じる人もいるようです。
こちらは「歯列矯正でブサイクになった?その原因と予防策について徹底解説」で詳しく解説しています。
たとえば以下のような事例でブサイクになったと感じる人がいるようです。
- 出っ歯になった
- しゃくれた
- ほうれい線ができた
- バッカルコリドーができた
- 頬がこけた
- 面長になった
- 人中が伸びた
- 赤唇が薄くなった
- ブラックトライアングルができた
一方で歯列矯正で美人になったと感じる場合もかなり多いようです。
美人になった事例については「歯列矯正で美人になった人は何が変わった?歯列矯正にかかわる迷信もご紹介」でご紹介しています。
歯列矯正をやらないほうがいい人はどのような人?
歯列矯正は、すべての人が必ず治療を受けられる訳ではありません。
そもそも歯列矯正をやらないほうがいい人について解説します。
虫歯や歯周病がある人
虫歯や歯周病がある人は、矯正治療を受けられません。
なぜなら放置した状態で矯正治療を始めると、虫歯や歯周病が悪化する可能性があるからです。
そのため、矯正治療をはじめる前に必ず虫歯や歯周病の治療をおこないます。
費用の支払いに不安がある人
そもそも矯正治療の費用を継続的に支払いできるか不安な方は、確実に矯正治療はやめたほうがいいです。
矯正治療に向けて費用を貯金しておき、余裕をもって矯正治療を受けられるようにしましょう。
アンキローシス(骨性癒着)の人
まれに、歯と骨がくっついて動かない人がいます。
アンキローシスと呼ばれる症状です。この場合は歯列矯正ができない可能性があります。
ただ、日常生活のなかで自分自身がアンキローシスであることに気付く人は皆無です。
気を付けること自体ができないものの、万が一アンキローシスと診断された場合は、経験豊富な歯科医師に意見をもらうようにしましょう。
矯正治療ができる場合がありますので、リスクとリターンを考え、治療に臨みましょう。
顎関節症の人
これは結論、顎関節症の人は矯正治療をしても問題ありません。
「顎関節症の人は矯正しないほうがいい」とかかれている記事も多くあるので、あえて記載しました。
ただし、アメリカ矯正歯科学会では「矯正治療による噛み合わせの変化は、顎関節症にまったく影響がない」という見解があるようです。
参考:高橋衛歯科医院 アメリカ矯正歯科学会(AAO)に参加してきました。https://www.mamoru-shika.com/blog/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E7%9F%AF%E6%AD%A3%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%AD%A6%E4%BC%9Aaao%E3%81%AB%E5%8F%82%E5%8A%A0%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82/
そのため顎関節症だから矯正するべきと、治療の第一選択肢になることもありません。
顎関節症と矯正は分けて考えておくべきでしょう。
定期的な通院ができない人
定期的な通院ができないほど多忙であったり、引っ越してしまったりする方は矯正治療について見直すべきでしょう。
なぜなら歯列矯正中は、歯が正しく計画通り動いているかチェックしたり、虫歯や歯周病にかかっていないかチェックしたりする必要があるからです。
たとえば留学や転勤などで半年間通院できない等の場合は矯正装置を外してしまい、保定装置のみで留学や転勤をし、留学や転勤が終わり次第矯正を再開するなどの処置が必要となります。
通院不要の矯正サービスも登場しているものの、現在は賛否がわかれているようです。
歯列矯正をやめたほうがいいのではと考えている人の実際の声
ここでは実際のインターネットやSNS上での声で実際に「歯列矯正をやめたほうがいい」と言っている方の声を理由を交えてご紹介します。
矯正を勧められたが、認定医じゃなかった
これは歯科医院に通院している最中に矯正治療を勧められても、その歯科医院に矯正の学会の認定医や専門医が在籍していない場合にその歯科医院では「やめたほうがいい」と感じた人の声です。
結論、矯正の学会の認定医ではないと矯正はやめたほうがいいという事実はありません。
ただし矯正の学会で認定医を取得するには、試験の合格や論文発表など厳しい要件をクリアしなければなりません。
そのため学会の認定医を矯正歯科医院選びの参考にするのは、良い方法だと考えられます。
矯正器具が目立って友達に何か言われるか心配
中学生や高校生など思春期の学生が、矯正装置をつけている姿を恥ずかしがってやめたほうがいいと考えているパターンもあるようです。
最終的には本人次第です。
一時的に矯正装置を我慢することで、矯正が終わったあとにはきれいな歯並びになって自信がつくので、どの時期に自分が我慢するのかは自身で判断していくべきでしょう。
また透明で目立ちにくいマウスピース矯正や、一見すると矯正装置が外から見えない裏側矯正など審美性の高い矯正装置での矯正もできる可能性があります。
装置が恥ずかしいと感じるのであれば、マウスピース矯正や裏側矯正も検討してみると良いでしょう。
留学で定期通院ができなさそう
留学の予定が決まっていて長期的に通院ができないことがわかっている場合に歯列矯正はやめたほうがいいか、悩んでいる方もいらっしゃるようでした。
まずそういった方は、歯科医師に直接相談しましょう。
歯科医師によっては、留学中は矯正治療を中断するなどのやり方を提示する方もいます。
自分自身がどれくらいまでに、きれいな歯並びになりたいのかから逆算して留学前から矯正治療をするかどうかを決めましょう。
まとめ
今回は「歯列矯正をやめたほうがいい」と考えている方の声を紹介し、その理由をご紹介しました。
基本的には、さまざまな理由には対処法があり、事前に情報収集をしたり対策を練ることで防げる理由が多いように思います。
歯列矯正は、歯並びをきれいにでき、自分に自信を持てるようになった人が多くいる世界的にもポピュラーな治療です。
決して怖がりすぎずにまずは信頼できる歯科医師に相談すると良いでしょう。